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映画『ボーリング・フォー・コロンバイン』と『華氏911』から「恐怖」について

最近は映画のレビューばかりを書いていたが、タイトルの2作についてはあまりにも有名であるし、以下の内容についても「レビュー」と呼べる内容のものではないので、今回のカテゴリーは「独白ではなく、対話として・・・」とした。

まず第一に、この記事の読者には、必ず『ボーリング・フォー・コロンバイン』と『華氏911』の2作品を観て頂きたい。

作品の持つ「メッセージ」については、製作者であるマイケル・ムーアによる「恣意的な編集がされている」、「扇動的」、「ヤラセ」などの批判があることは事実である。

だが、「ヤラセ」については、その真偽を確かめるすべを私は持っていないし、「恣意的な編集」と「扇動的」であることについては、作品の目的と、作品ならびに製作者がおかれているコンテキスト上、当然とまでは言わないまでも、止むを得ないものであると、私は考える。

上記のような批判がすべて正当なものであったとしても、作品中でムーアが行っている「社会的洞察」は刮目(かつもく)に値する。

作品中でムーアが行っている「社会的洞察」とは、私の言葉で言えば、

何者か(おそらくアメリカの政治的支配階級)がマスメディアをコントロールし、「意図的に」国民の「恐怖」を煽り、国民を「病的な自衛的武装集団」と化している。しかもその目的は「自衛的武装(ライフルや拳銃、弾薬の購入。2重、3重の扉と頑丈な鍵の取り付け。個人用シェルターの購入など)」に伴う「消費」すなわち「経済効果」である。

これは果たしてムーアや一部の社会学者の妄想なのだろうか?

私は以前『映画『ザ・ロック』を観て、戦争と恐怖に関する論考』という記事の中で、未熟な私なりに『「個人的な争いや憎しみ」また、「人間の自己の利益の追求」の根源に「恐怖」がある』という拙い推察を行った。

私のような者が「恐怖」に注目するのだから、「この世の賢い人々」が、その「有効的な活用方法」を発明することに、なんの不思議も無いように、私には思われる。

アメリカの「賢い人々」は、「自己利益追求」の為に、善良な市民を「社会的恐怖」によってコントロールすることを発明したのだ。

しかし私は考える。「賢い人々」の「自己利益追求」とは、結局のところ、彼等が彼等自身を脅かす「恐怖」から逃避していることに過ぎないのではないだろうか。

彼等は「社会的恐怖」をコントロールすることによって、莫大な利益を手にし、それによって自らを脅かす「恐怖」からも逃れようと考え、或いは逃れられたと信じているのではないだろうか。

しかし、果たしてそれは事実だろうか。

全米ライフル協会会長のチャールトン・ヘストンや、現・アメリカ合衆国大統領ジョージ・ウォーカー・ブッシュは、果たして「恐怖」を克服しているのだろうか。またイラク戦争に賛成した、アメリカの上院議員たちはどうか。

『華氏911』の終盤、マイケル・ムーアは多数の上院議員たちにインタビューしている。

「あなたの息子を兵士としてイラクへ送りたいか?」

当然ながら、Yesと答える議員は一人もおらず、足早にその場を立ち去って行く。

本当に戦争が正しく、戦争を行いたいと願う者だけが、自ら武器を持ち、殺し合いを続ければ良い。

最後に聖書の言葉を引用したい。

終りの日に次のことが起る。主の家の山は、もろもろの山のかしらとして堅く立ち、もろもろの峰よりも高くそびえ、すべて国はこれに流れてき、

多くの民は来て言う、「さあ、われわれは主の山に登り、ヤコブの神の家へ行こう。彼はその道をわれわれに教えられる、われわれはその道に歩もう」と。律法はシオンから出、主の言葉はエルサレムから出るからである。

彼はもろもろの国のあいだにさばきを行い、多くの民のために仲裁に立たれる。こうして彼らはそのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない。

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