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We killed him. ―我々が彼を殺したのだ―

久し振りに映画を見た。

ジョン・トラボルタ、ダスティン・ホフマン競演の社会派ドラマ『マッド・シティ』。

新しい映画ではないが、面白そうな映画だとは思いつつ、これまで見るチャンスに恵まれなかった一本である。

<以下にはネタバレの可能性があります>

物語は、博物館の警備員を首になった男サム(ジョン・トラボルタ)が、ライフルとダイナマイトを持って、再雇用を願い出ている最中、元同僚の黒人警備員に対して、誤ってライフルを発射してしまった現場に、たまたま博物館に取材に来ていたローカルテレビ局のリポーターのマックス(ダスティン・ホフマン)が居合わせたことから始まる。サムは行き掛かり上やむなく、見学に訪れていた小学生たちを人質に取り、博物館に立てこもる事になってしまう。マックスは功名心に駆られ、サムをけしかけて、独占中継を始める。「自分の主張を世間に訴えるのだ!」と。しかし、だんだんとサムとの関係が深まるに従って、マックスは、職業を失い、自分の意図とは関係なく、凶悪犯の立場に追いやられてしまったサムに、同情をし始める。そして、事件の平和的な解決を目指そうと決心するが、、。時すでに遅し、博物館の周囲は、地元警察に加えてFBIが包囲し、全国からマスコミが詰め掛け、のみならず白人主義者たちや黒人運動化たち、はては出店まで立ち並び、お祭り騒ぎとなっていた。そして詰め掛けた人々は、それぞれに自分に都合の良いことばかりを語り、サムを或いは英雄、或いは危険思想を持った凶悪犯だと囃し立てているのである。『マッド・シティ』という表題は、この辺りの雰囲気を、非常によく象徴している。そして物語のクライマックスに向けて、気違い沙汰は加速して行き、事態はもう、サムにもマックスにも、コントロール不能になってしまう。

非常に良く出来た映画であったと思う。

私の個人的な考えではあるが、良い映画の判断基準のひとつは、物語のラストのインパクトではないかと思う。そしてこの『マッド・シティ』のクライマックスは間違いなくラストである。

「We killed him. ―我々が彼を殺したのだ―」

マックスの叫びが、取り囲む群集の中に吸い込まれて行く。私はこのラストシーンを見終えたとき、『地獄の黙示録』のラスト、カーツ大佐の「The horror.―恐怖だ―」という台詞を聞いたときと似た感情が湧き上がってくるのを感じた。

『地獄の黙示録』は私にとっても、また多くの映画ファンにとって特別な映画であると思うので、このような感想に、或いは賛同できない方々も多数おられることとは思う。

そのような方々には、これが単に、私の個人的な感情体験に過ぎないことを、是非ご考慮頂きたいと思う。

ともかく『マッド・シティ』は、見る価値のある、一流の社会派ドラマであると思う。

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