真の贅沢ということ
私の好きな言葉の一つに、「真の贅沢というものは、ただ一つしかない、それは人間関係という贅沢だ。」というものがあります。
これは『星の王子さま』の著者としても有名なサン=テグジュペリの言葉です。
良い人間関係こそが、私たち人間にとって唯一の真の贅沢であるというこの言葉に心から同意できる人はなんと幸せだろうかと私は思います。
回りくどい言い方ですが、これは私自身が、まさに「幸せ者」であると感じているということです。
ところで、世の中には「人脈がある」「顔が広い」など、一般に人間関係に恵まれた人を指して用いられる言葉が幾つかあります。
しかし、私自身は、そのような意味では、決して豊かな人間関係を持っているとは言えません。
私は私の友人たちのことを「私の人脈」などとは、とても言い換えることはできませんし、また、私は一般的な意味での「顔が広い」というタイプではありません。
実はかつての私は、いわゆる「良い人脈」を出来るだけ多く持つということや、誰からも好かれる「顔が広い」人に憧れていました。
それはただ憧れていたというだけでなく、現実そうなるように、努力もしていました。
私は、私の目に有力と思われるような人に出会うと、なるべく自分を良く見せようと自分を売り込むような態度を取りましたし、また誰からでも気に入られようと考えて、いわゆる「八方美人」として同僚や友人と接していました。
事実友人たちは私を「八方美人」と呼び、私はそれを誉め言葉と考えていました。
私は、24歳の時に洗礼を受けましたが、そのような傾向は信仰を持ってもしばらくは変わらなかったと思います。
それがいつ頃からか、私のそういった傾向は段々無くなって来ました。
そのような私の内面の変化は間違いなく私の信仰によって引き起こされていることですが、私がどこかのタイミングで、考え方を変えようと決心したということではありませんでした。
ただ気が付くと、いつのまにか変化していたようです。
このことについて考えてみた時、私は信仰によって「満ち足りる心」が与えられたのだということに気が付きました。
しかし、満ち足りる心を伴う敬虔こそ、大きな利益を受ける道です。
Ⅰテモテ6:6
そして、繰り返しになりますが、今の私は、最初に紹介したサン=テグジュペリの言葉に表現されているような意味での「真の贅沢」と呼べるような「人間関係」を持っていると確信しています。
「贅沢」という言葉を辞書で調べると「限度や、ふさわしい程度をこえること」と書かれてありました。
私は、今私に与えられている人間関係を、まさに私に「ふさわしい限度や程度をこえたもの」だと心から感じています。
その人々は、私に無償の厚意を与えて下さり、私のために祈り、励まして下さる人々です。
ごく近くにいる人もいますし、物理的には遠く離れている人もいます。
その人々は、はじめに私の友となり、のちにはそれ以上の存在となりました。
今では、その人々は私の兄弟であり姉妹です。
また私には、まったくふさわしくない一人の特別に素晴らしい友が与えられています。
その方は、イエス・キリストその人です。
神との関係を「人間関係」と呼んでよいのか、私には解りませんが、聖書によれば、イエス・キリストは私たちのことを、確かに「友」と呼びました。
これこそ「真の贅沢」だと私は思います。
| 固定リンク
「独白ではなく、対話として・・・」カテゴリの記事
- 「関係性の中で生きる存在」としての「人間」と「宗教」について(2011.07.28)
- 村上春樹のエルサレム賞受賞式のスピーチについて(2011.06.08)
- ハンス・クリスチャン・アンデルセンの『天使』について(2010.11.20)
- 現代の賢明な人たちに一言~オー・ヘンリー作『賢者の贈りもの』より(2010.12.03)
- この聖き夜に~キリエ・エレイソン~(2010.12.18)


コメント
すばらしいね。ちと感動したよ。
今は毎日朝礼とかやる立場だからどっかで使ってみるよ。
投稿: taro | 2010年10月 7日 (木) 09時09分
トイさまが久々ブログ更新されていることを、今日やっと気づきました。読ませていただきました。
このサンテグジュベリの言葉を、僕は一昨日まで知りませんでした。一昨日の友人の結婚披露宴での最後のあいさつで、彼の好きな言葉として話されたので、初めて知りました。いい言葉だな、と思ったと同時に、彼の言葉の通り、彼の人生の生き様とキリスト者としての信仰が表わされたその披露宴には、実に様々な人が集まり、その彼の持つ人々とのかけがえのない交わり(輪)の中に、僕ら出席者が(いい意味で)巻き込まれるような感覚がありました。著名な方そこには数名いましたが、その方々も肩書のつきあいではなく、ただ彼との関係を大切にしておられるのが伝わってきました。
それはそれとして、トイさまとの関係はぼくにとってかけがえのないものです。って、こう奥様が焼きそうなコトバは言っちゃいけませんね。何言ってんだ。ワハハ。
投稿: さとうけい | 2010年10月13日 (水) 20時59分
>taroさん
コメントありがとうございます。
僕もtaroさんの朝礼に出てみたいです。
>けいぞうさん
主にある友情に感謝します。
大丈夫です。うちの奥は焼いてないですよ。
むしろ喜んでおりますので、今後とも宜しくお願いします。
投稿: トイフェルスドレック | 2010年10月15日 (金) 01時23分